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研究・研修活動     

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  2016年度 活動報告

  ★第61回日本透析医学会学術集会・総会
   バスキュラーアクセス閉塞は予測できるか 原田啓之

   透析クリニックにおけるインフルエンザ対策 三輪真理子

  ★第93回東海透析研究会
   
当クリニックにおけるエコーガイド下穿刺の現状 近藤聖也
   



 
  バスキュラーアクセス閉塞は予測できるか 
  原田 啓之

 バスキュラーアクセス(VA)閉塞は、透析患者、
職員ともにストレスとなる。また、計画的な対応に
比し、閉塞後の対応は、一般的に困難なことが多い。
今回は閉塞症例の原因を知ることで、VA閉塞が予測
できるか検討した。
 対象は当院通院中の透析患者257名。このうち 
過去2年間にVA閉塞した36名(計70件)について、
閉塞前のVAの状況・透析状況、クリアランス
ギャップ、閉塞のきっかけになるとされる高HB値
静脈圧上昇などを後ろ向きに調査した。
 クリアランスギャップ高値が4件、HB値12g/dl
以上13件、静脈圧上昇22件、血圧低下や過除水23
件で閉塞のきっかけとなったパラメーターかと思われ
る指標も存在した。
 VAの十分な観察・患者個々のリスク因子の把握、透析中のVAに関する各種指標の
変化などからVAの閉塞予測が可能となれば、閉塞以前の適切な時期に対応することが
できる。現在なお調査・検討中であるが、一定の回答を提示したい。



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  透析クリニックにおけるインフルエンザ対策
  三輪 真理子
 集団で治療する透析現場では、インフルエンザなどの
院内感染の危険性は高い。6年前より当診療所でも
対策を実行してきており、この結果について報告する。
 過去6年間の患者と職員に関して、インフルエンザ
ワクチンの接種状況を調査した。また、シーズン中の
発熱者に対し、送迎バスに乗らない指導や、透析室
入室前に検査を実施しており、これらに基づく
インフルエンザ発症率を調べた。
 ワクチン接種率は、2009年には患者94.2%
職員94.1%であったものが、2015年には、
それぞれ94.2%・100%となった。また、
発熱者数は最多であった2013年シーズンでは
患者50人、職員7人で、そのうち発症は、それぞれ
12人(24%)、2人(28.5%)であった。
 ワクチン接種、マスクの着用、手洗いは対策の基本であるが、院内感染防止には、
発熱者からの事前申告と、透析室入室前での対応の徹底が、効果的と考える。


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  当クリニックにおけるエコーガイド下穿刺の現状
  近藤 聖也

 当クリニックでは、2015年7月よりGEヘルスケア
社製のLOGIQeを使用しバスキュラーアクセス(VA)
の機能評価と形態評価およびエコーガイド下穿刺
(ガイド下穿刺)を実施している。今回、特に
ガイド下穿刺について現状を報告する。  
 VAが未発達で穿刺部位が限局されている、血管が
深くて血管を捉えづらい等の原因により、穿刺困難が
続いた症例に対してガイド下穿刺を行った。ガイド下
穿刺の方法は、一人法と二人法、短軸法と長軸法が
あるが、当クリニックでは、主に一人法にて短軸法
から長軸法へと切り替える方法で実施している。
 エコーの活用により血管の深さや血管内の状況、
穿刺針の留置箇所などが確定可能で、穿刺トラブル
の多い患者においてもより良い穿刺部位を確定できた
ため、現在ではトラブルなく穿刺可能となっている。
 ガイド下穿刺は、穿刺トラブルの続いているVAの穿刺を行うのに非常に有用で、
トラブルを軽減することが可能であった。また、ガイド下穿刺可能なスタッフは6名に
限定しており、必ずしも穿刺トラブル時にガイド下穿刺が可能な状況ではないのが現状
である。今後はガイド下穿刺の指導マニュアル作成を進め、ガイド下穿刺を含めたVA
管理可能な人材の育成に力を入れていきたい。

  

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